
大野公士は1996年に多摩美術大学大学院彫刻専攻を修了して以来およそ30年にわたり、死生観と存在についての考察を表現活動の主軸にして作品制作を続け、近年は日本国内のみならず、欧米を中心に世界各地で精力的に作品制作や展示を行なってきました。
その表現における一貫したコンセプトである、生と死の関係性や世界の存在についての探究は、東洋的なインド哲学や仏教哲学から、ギリシャを発端とする実存を主眼においた西洋哲学、量子論をはじめとする物理学まで多岐にわたります。その探究の成果としての表現は、木彫を極限まで中空に彫り抜いた立体作品や、廃材を使用した大型の野外彫刻、絹糸を一本ずつ結んでUVライトで発光させるインスタレーションなど、様々な素材を使用した多彩な空間構成として結実します。
本展につけられたタイトルの「Deus sive Natura」とはラテン語で「神即ち自然」を意味し、近世オランダの哲学者スピノザによって提唱され、汎神論の原点となった思想です。
21世紀、現状の国際政治の権力構造では起こらないとされていた大規模な消耗戦による戦争が、第二次世界大戦の悪夢を引きずるかのような形で再び現実のものとなりました。大野は本展において、暴力的な「生」と「死」が混在する世界は、はたして「神即ち自然」として実存するのか、という問いかけを基本概念とし、彼岸と此岸という死生観の境界領域を表出させ、ICHION CONTEMPORARYの6層に分かれた安藤建築に回遊式インスタレーションを構成します。
大野のアーティストとしての活動の一つの節目となる本展にて、スピノザの「神即ち自然」という命題を起点として、長年にわたり探究してきた死生観と存在への考察の成果をぜひご体感ください。
11:00 - 18:00 最終入場17:30
Sun.Mon.Holiday
Free
大野公士
※10名様以上でのご来場を予定されている場合は、必ず事前にお電話またはメールにてご予約をお願いいたします。ご予約のない場合は、当日のご入場をお断りいたしますので、あらかじめご了承ください。
なお、団体でご来場のお客様には、展覧会運営・アーティスト支援・施設維持のため、お一人様あたり1,000円のご寄付をお願いしております(中学生以上が対象、小学生以下は任意)。ご寄付いただいた方には、オリジナルトートバッグを進呈いたします。
